膝関節は股関節、足関節の間に位置する中間関節であり、膝関節痛の原因も多様化しやすいです。
疼痛があるということは、必ず原因組織が存在しますので、対処方も少しは明確化されてくるのではないでしょうか?
今回は膝関節周囲の疼痛を発している組織について簡単に紹介できればと思います。
膝関節の解剖がイメージしにくい方は、簡単に紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
膝蓋下脂肪体

膝蓋下脂肪体(しつがいかしぼうたい)とは、膝のお皿(膝蓋骨)の下にある脂肪組織のことです。
膝関節のクッションとして重要な役割を果たしており、膝の曲げ伸ばしをスムーズにするための滑走性を高めたり、膝への衝撃を緩和したりする働きがあります。
膝蓋下脂肪体は自由神経終末が豊富に分配しており、わずかな炎症でも疼痛に繋がりやすいです。
膝蓋下脂肪体は膝関節軽度屈曲20°、伸展100°で内圧が上がりやすいと言われています。よって、この角度で痛みが生じる場合は膝蓋下脂肪体が疼痛に関係しているかもしれませんね。
膝蓋腱

膝蓋腱とは、膝蓋骨の下端から脛骨の上端にかけて付着している腱のことです。大腿四頭筋と脛骨をつなぎ、膝を伸ばす役割を担っています。
膝蓋健は大腿四頭筋の張力を脛骨に伝える役割をしており、ジャンプやランニング動作などの重要な役割を担っています。
膝蓋健に慢性的なストレスが加わり炎症が生じると疼痛につながる例があります。ジャンパー膝とも言われますが、高齢の方でも膝蓋健の過緊張が疼痛につながる症例は多いような印象です。
鵞足

鵞足(がそく)とは、膝の内側、脛骨(けいこつ)と呼ばれるすねの骨の上部に位置する腱の付着部のことを指します。具体的には、縫工筋、薄筋、半腱様筋という3つの筋肉の腱が脛骨に付着する部分です。
代表的は病態として鵞足炎があります。鵞足炎は付着部である、脛骨粗面部への慢性的は摩擦ストレスによって疼痛が生じている状態です。
原因として脛骨外旋のアライメントを呈している方が多い印象です。脛骨外旋では、付着部が遠位となり伸長位となりやすいです。
鵞足の中でも、特に原因筋となりやすいのが、股関節外転位で伸張される薄筋です。膝関節OA患者さんと鵞足炎が関連すると言われる理由もここにあるかと思います。
まとめ
今回でも多く見かける、膝関節の原因について簡単に紹介させてもらいました。
膝関節は組織が多く、原因組織を見つけるのが難しいですが、1つの仮説として頭の中に入れてもらえると、糸口になると思います。
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